姫になった娘と一緒に守られているワケあり元妃は、女子高生
「妃と、姫の違い?」
同じ守られる立場でも、優先順位がある
「そう。妃と姫の違い」
「そういや、考えたことなんてなかったな。
同じ守るべき立場の位置だしな」
やっぱり。
「8代目だったか9代目の時までは”姫”が今の”妃”の立場だったの」
「何で、その時代を・・・」
「だって、愁君が由依ちゃんと付き合ってたし。
次期総長候補の愁君のことだよ?何も考えてないわけがないでしょう?」
「どういう・・・」
「あたしと由依ちゃんの旧姓を考えてみたらわかるでしょう?」
「お前と由依さんの旧姓?確か、あま・・・みや?」
「そう。由依ちゃんとあたしは実の姉妹。
愁君はあたしからしたら義理のお兄ちゃん」
「なるほど」
「10代目に愁君がなったその日には9代目がいたから
まだなかったけど、愁君の代になって1カ月で”妃”という立場を
作り上げた。それは、現役総長の”彼女か婚約者”。
”姫”を妃の次に守るべき大事な人間にする。
そういう風にあの時の愁君は言っていた」
「嘘だろ?妃と姫は最初からあったんじゃないのかよ」
「あたしが姫だったのは、由依ちゃんの妹で
雨宮では、末っ子だったのもあって、ほとんど放置されていたから
12年前。あたしがまだ6歳だったころだもの。」
「そんな前だったのかよ」
「あたしはね。由依ちゃんの妹ってだけで
紅蓮に入れたんだけど、やっぱり中にはそれをよく思わない人たちもいてね
まだ、由依ちゃんやみんなが紅蓮に付いてなくて
あたしが先に付いちゃったときに、言われたの。
”お前は、紅蓮にいるべき人間じゃないから、家(うち)に帰れ”っって
紅蓮の倉庫を追い出された。というよりも、門前払いみたいにされちゃって
まだ、誰も来てなくって、近くの公園にいたの。
どうしても、1人の家にはいたくなくて」