姫になった娘と一緒に守られているワケあり元妃は、女子高生
「でも、その日に限って、途中で雨が降ってきちゃって
ブランコに座って遊んでたあたしは
それでも、紅蓮の倉庫に1人で行く勇気はなくて
ずっと待ってたのを見つけてくれたのは、玲央君と愁君だったの」
「!?」
「2人の顔を見た瞬間に意識はなくなったけど、
気付いた時には、酒井の家にいたし、ただ、何であの
雨の中で公園にいたのか。言わされたけど
その時の、紅蓮の皆の顔が恐ろしく怖くて
それがちょうど10代目になって1カ月の出来事で
愁君たち幹部で話し合ってたのも聞こえてた。
紅蓮の皆にはさっきも言った通り、
”妃の次に守るべき大事な人間にする”って言ったけど
本当は違って。”姫”は、紅蓮の下っ端にあたしを守らせるために作ったものなの」
「!?」
「次に紅蓮の倉庫に行ったとき、あたしが玲央君に抱きかかえられて入っていったのを
その人たちは、何も言えずにただ、あたしを睨んできてた。
でも、先に釘を刺したのは玲央君。
”姫を追い出した馬鹿どもに言っておく。
今後、璃和がここに来た時に追い出したら、お前らも追放する”と」
「嘘だろ?」
「そっからだよ。あたしに対して玲央君たちが過保護になったのは」
「そうか」
「それを聞いても、あたしたちを姫や妃にしたいの?」
「あぁ」
そう。その意思は固いのね。
ほんと10代目にも8代目にも似てるんだから
「なぁ」
「何?」
「何で8代目や9代目を知ってるんだ」
「8代目は、よく来てたし。
9代目は愁君たちを襲撃しに来たこともあったし」
「はぁ!?」
「だから、知ってたんだよ」
「なるほどな。お前が俺たちが
9代目に似てるって言う理由も分かった。
でも、俺達は9代目ほど愚かではない」
ふーん
「だから、妃になってそれを見ていて欲しい」
そこまで言うなら仕方がない。
「あたしと姫奈は構わないけど、
愁君と玲央君には伝えないといけないかもね」