深紅と浅葱
突き放す言い方にムッとする

「関係ねぇけど関係ある!
戻ろう!真優が心配だ!
そばにいてやらねーと!」


「俺には、会いたくねぇだろうから」

「…戻るぞ!
今、もどらねぇと後悔する!
会いに行きにくくなる!
話そう!皆で!ほら!ほら!」


3人で真優の家に戻ると
号泣し続けていた


「真優 ちょっと驚いたけど
久しぶりに会えて嬉しいよ」


一葵が真優のそばに座る


葵が沖田の袖をツンツンと引っ張ると沖田に外へ出るよう目配せした


外へ出ると


「真優は、一葵が好きなの
会えなくてもそばにいたいからって
京に来たんだけど
本当は、すごく会いたくてたまらなかったみたい
沖田さんが一葵を連れて来てくれて
良かった…最期にもう一度会えて
さっきはごめんなさい
関係ないなんて言って
でも、沖田さんには言えないことだから」


真剣な目で訴える葵の頭に右手を置き、するりと背中に降りると
抱き寄せる


「俺は…大丈夫
お前を守るって言ったろ?」


抱き寄せた手に力をこめる
小さく葵の耳元で呟く

「真優は、力を使ったせいで
歳をとったのか?」







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