深紅と浅葱
集合場所である二条城の庭に
続々と人が集まる


その中に、葵の姿もあった


「アイツら… またやってる」


葵斗が不満そうに言った


新選組幹部らが見れば
何やらくじ引きをするようだった


「どうせ葵が当たるのに」


葵斗の言ったとおり
1番にくじ引きした葵が当たりをひいた


葵達の仲間が大笑いする


無表情の葵が「なんで…」
いかさまではないかとクジを見る

「お前が自分で選んで引いたんだろ」

「そうだけど…」




遠くで葵斗が解説する

「あれ、当たりをひいたら追い役しなきゃいけなくて、皆嫌がっている
めちゃくちゃ走らなきゃいけないからな
葵は、くじ運がないんだ
あんまり当たるから、1番に引かせたんだろうけど…」


「へえ、わざと当たりをひいてたりして」

「葵ならありえるな」

「そうだな」



< 146 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop