深紅と浅葱
葵に追いついた沖田が
葵の視線の先を見る


『力使ってんのか…?』



遠くに視線を固定して、そこに向かっている


「沖田さん」

「なんだ?」

「止めないで下さいね」

「おう」


少し息を切らし、とある屋敷にたどり着いた


葵の雰囲気にただならぬものを感じる


「沖田さん、ここで待ってて下さい」

「一緒に行く」

「見られたくないんです」

「?…きにすんな」


斬るところを見られたくないのだろうと思いそう答えた


どう言ってもついてくる気だと感じ

葵は、屋敷に入ることにした

塀の上に上がると沖田もヒョイと上がる

体の線は細いが背の高さから、身軽さが想像出来ていなかった為
葵が沖田を凝視する


「行くぞ」
「はい」

沖田が先導しだす


「沖田さん?」

「ん?」

「どうしてこっちだとわかるんです?


「葵を見てりゃわかるだろ」



不思議に思いながらも
暗い屋敷の1室を目指す




< 148 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop