深紅と浅葱
2人が抜刀し
ふぅと小さく呼吸を整え
葵が襖を開けた

強烈な血の臭い

「遅かったな…」

部屋の中にいる男の手が赤い光を出す

辺りには、この屋敷の者らしい人々が血の海に倒れていた

「お前のせいだぞ?
お前が早く来ないから
皆…死んじまった…」  

「何言ってんだコイツ…」

「沖田さんのいて下さい
私は、この人を斬らなきゃいけない」

赤い光が強くなる

「あの女…」

葵が1歩踏み出そうとするが
沖田が止めた

「沖田さん!!退いて!!」

「真優だったか?」

近づいてはいけないと沖田が察した

「葵…焦るな」

沖田の声に、心を落ち着かせる


「まだ生きているのか?」


シュッ



沖田が止められないほどの動きで
葵が男に刀を振り下ろす


スッと軽くよけ



「また会おう深紅」

「待って!!返して!!うっ」


赤い光を投げつけられ、怯んだ隙に逃げられる





 

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