深紅と浅葱
血の海で立ちすくむ葵の肩を支え
庭に出る

月明かりで葵の顔がハッキリ見える


無表情な葵の目が怒りの感情を出していた


「戻って報告しよう
彼らを弔わないと」

「…はい」


皆のところに戻ると一葵が葵のもとに駆け寄る

「葵!!勝手に行くな!!
沖田さんがついててくれたからいいが、お前冷静さ無くすとろくなことしねぇ!」

「一葵、怒らないでやってくれ
ちょっと来い!」

沖田が少し離れた場所に連れて行く

「葵、言わないだろうから
左の脇腹辺りに赤い光をぶつけられてたんだ
気にしてやってくれ」

「…わかった」

「よし!戻ろう!」

「沖田さん」

「ん?」

「いえ…なんでも
葵のこと、ありがとうございます」

「別に…頼まれたわけじゃねぇだろ
俺が勝手についてったんだ
礼なんて言うな」

「それでも… 感謝させて下さい」


沖田に対して尊敬の気持ちを込めて
頭を下げた

力について質問さえしない沖田に
葵が惹かれた理由がわかる








< 150 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop