深紅と浅葱
「ククク 探り合いだな
言えないこともあるだろう
すまなかった」


土方がニカッと笑い
背を向けた


「選ばれた子」


葵斗の呟きに振り返る

「葵の名がある者は
将軍家の神子(ミコ)になれる素質があると言われています
俺は、素質がなかったらしく
神子が何かとか全然知らない
2人は、神子になるために頑張っているだけで、土方さんが心配することはないはずです」

「〝俺達は、選ばれた子〟って言ってた…〝力〟とか、〝真優〟とか」

「真優…って一葵の幼なじみの子ですが、素質どころか葵の名がないので
関係ないはずですが…
力って何ですか?」

「さぁな、葵の名はねぇが
総司にも力があるらしい
総司の力が強くなってるから
アイツらは、新選組と縁を切るってよ
そんなこと…させるかよ…
せっかく出会ったのによぉ」


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