深紅と浅葱
葵が拉致された事を幹部のみで話す

「葵が… 自ら捕まったなら
問題ないです」


心配する幹部らを他所に
平然と言う葵斗に視線が集まる


「葵が、こちらの事を話すことはありません。」

幹部らの口がぽかんと開く

「俺達は、葵の身を案じているんだ
すでに漏れているこちらの事は、心配などしていない」

「葵なら、大丈夫ですよ!」


土方が右手で後ろ頭をワシワシと掻く


「葵斗… 葵は弱い」

「は?アイツの強さ見てるだろ?」

敬語を使うことも忘れ呆れ声

そんな葵斗を土方は、真っ直ぐに見た





「武術が強さじゃねぇよ
やるべきことに向かう信念は、凄い
だが、アイツはいつも泣いてる
やるべきことがアイツのやりたい事じゃねぇからだ
このまま無理すると
泣くことも出来なくなるかもしれねぇ
葵の心は、弱いんだ」

< 179 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop