深紅と浅葱
送り道


「何かあったのか?
いや、言いたくなければ無理に言う必要はねぇぞ」

土方が娘の顔を改めて見ると
表情が全く変わらない


娘が土方を見る


「気を遣わせてすみません
この顔、変わらないんです」


傷つけてしまったと
内心焦り


「違う!今朝からずっと…いただろ」

「え?」

「熱心だなぁって、気になった」

「あぁ すみません
顔のことかと…
あのお寺、なんだか懐かしくて」

「懐かしい?」

思わぬ返答に眉間にしわが寄る

「幼少の頃、両親に怒られるたびに
寺で反省していたんです」


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