深紅と浅葱
その5
葵の女中勤めが残り数日となった頃
浪士組で宴が披かれることになった
仕事を終えた葵が、近藤に帰りの挨拶へ行く
部屋の中からは、近藤と客人の他に
土方と沖田の声がした
「近藤さん」
「どうぞ」
スッーと葵が扉を開ける
「ヒッ」
浪士組の客人、会津藩士佐々木只三郎が、葵を見て青ざめる
「本日の勤めを終えましたので帰ります」
佐々木に視線をやることなく、挨拶をした
「…知り合いかい?」
あんぐりと口を開けたままの佐々木ではなく、葵に質問した
「知り合いではありませんが
お客様は、私をご存知なのでしょう
しかし… ご存知ならば
過剰な反応をするべきではありませんでしたね
私は、ただの女中としてこちらにお世話になっている身
お客様が心配するようなことはありません」
「失礼した 申し訳ない…」
「お気になさらず
では、失礼します」
浪士組で宴が披かれることになった
仕事を終えた葵が、近藤に帰りの挨拶へ行く
部屋の中からは、近藤と客人の他に
土方と沖田の声がした
「近藤さん」
「どうぞ」
スッーと葵が扉を開ける
「ヒッ」
浪士組の客人、会津藩士佐々木只三郎が、葵を見て青ざめる
「本日の勤めを終えましたので帰ります」
佐々木に視線をやることなく、挨拶をした
「…知り合いかい?」
あんぐりと口を開けたままの佐々木ではなく、葵に質問した
「知り合いではありませんが
お客様は、私をご存知なのでしょう
しかし… ご存知ならば
過剰な反応をするべきではありませんでしたね
私は、ただの女中としてこちらにお世話になっている身
お客様が心配するようなことはありません」
「失礼した 申し訳ない…」
「お気になさらず
では、失礼します」