深紅と浅葱
「土方君、葵さん、またね」

南部と別れると葵が土方に言った


「ここで結構です」

「家まで送る」

「もう、すぐそこですから
壬生にお住まいなのに
遠回りさせてしまいましたね」

「気にするな
これも何かの縁だろうよ」

「ありがとうございました」


もう少し一緒にいたい
家まで送りたい気持ちを堪え
壬生にある屯所に向け歩く


屯所まであと少し



邪魔だった傘をチラリと見る


『葵と出会うための雨みたいだ』





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