深紅と浅葱
「昨日は、悪かった
俺は何も話してない
浪士組の奴らも
何も聞いてこなかった
これから本陣に戻っても言わない
だから!浪士組を辞めることはない」

「佐々木さん…
私が辞めることは決まっていたことです」

「葵さん いえ、葵殿
浪士組にいるあなたは、とても穏やかで…とても…とても…」

「佐々木さん…会津公にちゃんと報告して下さいね」

「するわけないでしょう!」


立ち止まり、佐々木をジッと見る


「送って下さりありがとうございます
ここで結構です」

「葵殿」

「呼び捨てて下さい
それと… 
勘違いされているようなので…
私は、浪士組に相応しくありません」


葵が悲しげに顔を歪めた

佐々木は、何も言えなかった












< 52 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop