深紅と浅葱
葵の女中最終日


普段通りに勤めを終えた


帰りの門には、全員が見送りに集まった

「いつでも遊びにおいで」

「ありがとうございます」

「行くぞ」

「はい」

芹沢が送り役


「そなたと並んで歩く日がくるとは」

「ええ 感慨深いものですね」

「俺も葵と呼んで良いか?」

「もちろんですよ芹沢さん」

「葵… 明日からどうする?」

「料理屋の老夫婦を手伝ったり
呉服屋の繕いものを手伝ったり
頼まれている仕事はたくさん
忙しくなります」

「ふっ そうか
浪士組の方が安定していただろうに」

「佐々木さんから、浪士組にいるよう言われました
私が穏やかなのだそうです」

「確かに」



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