深紅と浅葱
ある日
壬生浪士組副長 山南敬助
穏やかな性格の彼が
今日は、機嫌が悪い
「京の道でも覚えたらどうです?」
仕事が無いためダラダラとする
原田左之助と永倉新八に一喝
「雨ふってんですよ?」
「そうだよなぁ…」
「傘をさせばいい
これから見本となるべき君たちが
そんなことでは困る
雨の日に事件がないとは限らない」
しぶしぶと2人が屯所を出て行く
道場からは、沖田と年の近い
斎藤一、藤堂平助が3人で遊んでいるらしく騒がしい
「まったく…どうして皆のん気なんだ」
「山南君 君も散歩しておいで
今しかゆっくり出来ないよ」
年上の井上源三郎に促され
雨の中屯所を出た