深紅と浅葱
土方の優しい声色に俯いていた顔を上げた

驚くほど無表情な顔があった

「それで、お前は大丈夫か?」

「大丈夫です
これが私の仕事です」

葵が2人を拒むように去って行く


屯所に戻った2人は、近藤に詰め寄る



「すまん…
どうしても葵に暗殺などさせたくなくて… 俺達でやろうとしたんだが」


「だから、あんなに口止めしてたんだな…」

「芹沢さんは、俺達の為に悪役に徹していただけなんだ
葵は、それをわかっていて
芹沢さんを… 芹沢さんは、悪くないのに… 辛かっただろう…」


言っている近藤の姿は
葵より辛そうだった


「近藤さん これは、芹沢さんにしてやられたんじゃねぇか?
新選組の為に…
葵を利用したことは、許せねえが
芹沢さんは、すげぇ人だ」

「そうですね
芹沢さんと葵のおかげで
俺達は、新選組になれたんですね」


沖田が近藤の背中に手をあてた


「守っていきましょう」











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