深紅と浅葱
同じく謝ろうとしていた露子が葵をチラチラ見る


その視線に気づきつつ気がつかないフリをして、どんどん料理をする


『よし!今や!』


露子が声を掛けようとするが
くるりと背を向ける


一言も交わさないまま支度が終える



「では、帰ります」

「あの…」

「はい」

「あ、あの…」

「なんでしょう?」

「葵の料理…評判ええよね!」

「私、江戸の出身ですから
味付けが合うのかと」

「え?こっちと違うの?」

「そうですね
こちらと、野菜も違いますから」

「へぇ~」

「では」

『ぁ…』


謝り損ねたことに気づく

帰ってきた2人とも苦笑い



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