疑心暗鬼〜特殊捜査チーム「零」〜
「これはすごい!この壺は確か、オークションで一億で取り引きされたものですよね?田村さんが購入したんだ〜」
事件当日のことを家政婦に訊ねている悠真の後ろで、範人はまるで美術館に並べられた作品を眺めるかのように過ごしている。その態度に怒りを覚えない者はいないだろう。
「こちらになります。すぐに第一発見者である奥様やお坊ちゃんをお呼びしますので。お嬢様は仕事で今はいませんが……」
家政婦はそう言い、ペコリと頭を下げて部屋を出て行く。柔らかなソファに腰掛けた刹那、悠真は範人に文句を言った。
「柏木さん、ちゃんと捜査をしてください。俺たちがやっていることは違法捜査でもあるんですよ。チームのリーダーが真面目にやらなくてどうするんですか!?」
悠真がそう言うと、「そうカッカしなさんな!」と範人は笑う。そして一瞬にして真面目な顔つきになった。
「この屋敷には、夜間は廊下内には防犯レーザーで侵入者を感知するようになっているらしい。壺が並べられたあの廊下にレーザーを発射する装置があった。また、廊下の窓にも夜間は電流が流れるようになっている」
事件当日のことを家政婦に訊ねている悠真の後ろで、範人はまるで美術館に並べられた作品を眺めるかのように過ごしている。その態度に怒りを覚えない者はいないだろう。
「こちらになります。すぐに第一発見者である奥様やお坊ちゃんをお呼びしますので。お嬢様は仕事で今はいませんが……」
家政婦はそう言い、ペコリと頭を下げて部屋を出て行く。柔らかなソファに腰掛けた刹那、悠真は範人に文句を言った。
「柏木さん、ちゃんと捜査をしてください。俺たちがやっていることは違法捜査でもあるんですよ。チームのリーダーが真面目にやらなくてどうするんですか!?」
悠真がそう言うと、「そうカッカしなさんな!」と範人は笑う。そして一瞬にして真面目な顔つきになった。
「この屋敷には、夜間は廊下内には防犯レーザーで侵入者を感知するようになっているらしい。壺が並べられたあの廊下にレーザーを発射する装置があった。また、廊下の窓にも夜間は電流が流れるようになっている」