疑心暗鬼〜特殊捜査チーム「零」〜
「……つまり、外部から犯人が侵入することは難しいというわけですか」
ふざけているようできちんと観察をしていたのか、と悠真は先ほど文句を言ったことに対して申し訳なくなってくる。しかし、応接室の扉が開き、湯気のたったコーヒーを持った家政婦と派手なレオパード柄の服を着た四十代とおぼしき女性が入って来た。
「この度はご愁傷様です。奥様のお気持ちの整理がついていないことはわかっておりますが、一日でも早く犯人を逮捕したいのです。ご協力いただけませんか?」
範人が姿勢を正し、女性に言う。女性は「構いませんわ」と頬を赤く染めながら範人と悠真の向かい側に座る。家政婦はコーヒーを素早く置き、部屋をまた出て行った。
悠真と範人は早速、田村次郎の妻である由起子(ゆきこ)に質問を始める。悠真が口を開いた。
「まず、旦那さんを発見した時のことを話してもらえませんか?」
「わかりました。私は主人が殺される前日まで韓国に友達と旅行に行っていました。この家に帰って来たのは夜中だったので、シャワーを浴びて寝ていました。娘の理沙の悲鳴で目を覚ましてリビングに行ったらあの人が倒れていたんです」
ふざけているようできちんと観察をしていたのか、と悠真は先ほど文句を言ったことに対して申し訳なくなってくる。しかし、応接室の扉が開き、湯気のたったコーヒーを持った家政婦と派手なレオパード柄の服を着た四十代とおぼしき女性が入って来た。
「この度はご愁傷様です。奥様のお気持ちの整理がついていないことはわかっておりますが、一日でも早く犯人を逮捕したいのです。ご協力いただけませんか?」
範人が姿勢を正し、女性に言う。女性は「構いませんわ」と頬を赤く染めながら範人と悠真の向かい側に座る。家政婦はコーヒーを素早く置き、部屋をまた出て行った。
悠真と範人は早速、田村次郎の妻である由起子(ゆきこ)に質問を始める。悠真が口を開いた。
「まず、旦那さんを発見した時のことを話してもらえませんか?」
「わかりました。私は主人が殺される前日まで韓国に友達と旅行に行っていました。この家に帰って来たのは夜中だったので、シャワーを浴びて寝ていました。娘の理沙の悲鳴で目を覚ましてリビングに行ったらあの人が倒れていたんです」