疑心暗鬼〜特殊捜査チーム「零」〜
淡々と由起子は話し始める。その顔や声に涙も悲しみを感じられない。誰でも夫婦仲がよくなかったのかと推測できるだろう。
「由起子さんと次郎さんはどういった出会いで結婚なさったんですか?夫婦仲は?」
範人が一気に踏み込んだ質問をしたので、「ちょっと!」と悠真は範人の腕を掴む。しかし、由起子は表情を変えることなく話し始めた。
「主人とはお見合いで出会いました。私の家は資産家だったので、主人と主人の家はお金目的で結婚したがっていると明白でした。でも、好きな人と結ばれたばかりに貧乏に苦しむ羽目になった人を何人か見ていましたので、愛よりもお金があればと思って結婚しました」
「つまり、次郎さんのことを愛してはなかったと」
範人の質問に由起子は「ええ」と冷たい目で答える。その表情には一瞬の戸惑いすらなく、悠真は胸が苦しくなった。
「次郎さんを恨んでいる人に心当たりはありますか?」
悠真の質問に、由起子は「心当たりがありすぎて逆にわかりません」と冷たく笑う。そして応接室を出て行った。
「由起子さんと次郎さんはどういった出会いで結婚なさったんですか?夫婦仲は?」
範人が一気に踏み込んだ質問をしたので、「ちょっと!」と悠真は範人の腕を掴む。しかし、由起子は表情を変えることなく話し始めた。
「主人とはお見合いで出会いました。私の家は資産家だったので、主人と主人の家はお金目的で結婚したがっていると明白でした。でも、好きな人と結ばれたばかりに貧乏に苦しむ羽目になった人を何人か見ていましたので、愛よりもお金があればと思って結婚しました」
「つまり、次郎さんのことを愛してはなかったと」
範人の質問に由起子は「ええ」と冷たい目で答える。その表情には一瞬の戸惑いすらなく、悠真は胸が苦しくなった。
「次郎さんを恨んでいる人に心当たりはありますか?」
悠真の質問に、由起子は「心当たりがありすぎて逆にわかりません」と冷たく笑う。そして応接室を出て行った。