疑心暗鬼〜特殊捜査チーム「零」〜

警察関係者も知らない違法な犯罪捜査が今、始まるーーー。



田村次郎の住んでいた家は、高級住宅街にあるだけあって大きな家だった。高級外車が三台も止まっている。

「すごい豪邸だね〜。こんなところで楽して生活がしたい！」

そう言う範人を無視し、悠真は頑丈そうな門の横にあるインターホンを押す。すると「はい。どちら様でしょうか？」と女性の声が聞こえてきた。

「お忙しいところ、すみません。私たちは警視庁の者でして、田村次郎さんの事件についてお話しをお聞きしてもよろしいでしょうか？」

「は、はい！少々お待ちください！」

警察とわかると相手は緊張したような声を出した。そして、門がゆっくりと開き家政婦と思われる女性が姿を見せる。

「お待たせいたしました。応接室にご案内します」

家政婦は二人に緊張したような笑みでそう言い、足早に歩き出す。悠真も家政婦に合わせて早めに歩いていたのだが、範人はのんびりと廊下に飾られた壺などを見ながらゆっくりと歩いていた。