AIが決めた恋
「うぇい！うぇ〜い！」

教室の後ろの方の窓際で、男子達が騒いでいた。どうやら、プロレスごっこをしているようだった。高校生になってまで、何故そんなことをするのか疑問に思いながら、初めはそれほど気にもしていなかった。
しかし、話を聞いているうちに、それがただのプロレスごっこではないことに気がついた。

「おい！お前、窓から顔出せよ！」
「何処まで顔出せるか度胸試しなんだから、早くしろよ！」

2人の男子が、1人の男子の腕を掴み、窓の方へと引っ張っていた。

「や、やめてよ。僕、高所恐怖症なんだ…。」

やられている彼は、必死に抵抗しているが、2人がやめる様子は見られなかった。

「は？高所恐怖症だから何だよ！」
「それを直してやろうって言ってんだよ！」

僕は、朝のHRの時間に先生が話していたことを思い出す。
もし、これが大きな事故に繋がったら…なんてことを考えたら、怖くなった。そして、僕は席を立ち、彼らの方へ向かっていった。

「あの。すみません。」

僕が声をかけると、『いいところを邪魔された！』と言わんばかりの表情で彼らがこちらを振り、僕を睨(にら)んだ。

「それ、危ないと思います。」

ストレートにそう言った。それが一番早いと思ったからだ。
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