AIが決めた恋
中学までの僕だったら、絶対にこんなことをしなかっただろう。きっと勇気が出なくて、心の中で、『何事もありませんように。』と願いながら、見て見ぬふりをしていた。しかし、それでは駄目だ。僕はあの時、あの場所で約束したんだ。
“これからは自分の意思で行動をする。”
と。

「あ?何だよお前。誰だよ。」
「同じクラスの佐倉です。」

名前まで言うと、いつものように『桜ケーキ』と馬鹿にされるような気がしたので、苗字だけを言った。

「何なんだよ。」

身体に緊張が走る。
でも、逃げては駄目だ。

「朝のHRで先生も言っていましたが、それが事故に繋がる可能性があると思いませんか?」

僕がそう言うと、彼らは僕の至近距離までやってきて、僕を激しく睨んだ。

「うるせーな。」
「お前、何様だよ。格好つけてんじゃねーよ。」
「そんなつもりは──」
「ってか注意するとかキモー。ドン引き。マジ無理だわ。生真面目ガリ勉は黙って勉強でもしてろよ!」

ボロクソに言われ、多少足りとも傷ついた。
それに、彼らは一向にやめる様子を見せなかった。どうすればいいのだろうと考えたが、このような場面に遭遇したのは初めてで、具体的な解決策は何一つ思い浮かんでこなかった。
結局、僕には何もできない。自分の意志で行動したところで、何の結果も生み出すことができないんだ。
そう思って諦めようとした、その時だった。
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