AIが決めた恋
「君は確か──」
「真島広大です。」
「真島広大…。じゃあ、広くんね!」
「え。」
「広くん、大丈夫?藍が襲われたらどうするの?守れるの?広くんは強いの?」
「強いかは分かりませんが、剣道5段です。」

剣道5段…!?
真島くんが、そんなに強いとは知らなかった。でも、確かに身長は高いし、痩せているが、身体はガッチリとしている。

「こ、広くん、剣道5段なの…!?」

これには、さすがのお兄ちゃんも何も言い返せないようだった。

「ということで、俺が送って行きますから。では、今日はありがとうございました。さようなら。」

真島くんはそれだけ言うと、部屋を出ていった。

「真島くん、待ってください…!」

私は、慌てて机の上にある自分の荷物を片付けた。

「お兄ちゃん、今日は本当にありがとう。朝早くからおじゃましちゃってごめんね。」
「いいよ。藍ならいつだって大歓迎だから。また来て。」
「うん、ありがとう。」

私はお辞儀をすると、部屋を後にした。

「待って。」

廊下でお兄ちゃんに腕を掴まれた。
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