AIが決めた恋
「一つだけ、質問があります。」
「何だ?」
「私のことも、好きになれなかったらどうするのですか?」

こんなこと、本当は聞くべきではないのかもしれない。でも、そうやって聞くのを躊躇(ためら)っていたら、また2人の間に誤解が生じてしまう可能性がある。

「例え君を恋愛対象として見れなかったとしても、俺は許嫁より、君と一緒にいる方がいい。」
「へっ…。」

あまりにもストレートな言葉に私はどうしていいのか分からなくなってしまった。

「なんて。俺が良くても君は嫌か。口は悪いし、君に優しくしたことがない、酷い人間なんだから。」

真島くんが、自嘲気味(じちょうぎみ)にそう言った。

「そんなことないです。真島くんは優しいです。」

気づいたら、この言葉が飛び出ていた。

「今日の勉強も、私が分からないところは、分かるまで何度も何度も熱心に教えてくれました。時間より早く私の家に来られたもの、私の勉強を心配してのことだと思います。遠足の時もそうでしたけど、真島くんはいつも私を見捨てないじゃないですか。だから貴方は、どうしようもない人間なんかでも、酷い人間なんかでもありません。」

つい感情的になり、早口でそう言ってしまった瞬間、真島くんが私の手を強く掴み、引き寄せた。
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