AIが決めた恋
「藍ちゃん、見て見て!数学のテスト、42点だったの!!」
「凄い!良かったね。おめでとう。」
「ありがとう!!」

桃野さんが嬉しそうに微笑んでいる。この笑顔は、湖川さんの前でしか見ることができない。

「ところで、君はテスト、どうだったんだ?」

真島くんが湖川さんに聞くと、湖川さんの顔色が悪くなった。

「う…。」
「まさか…。」
「他の教科に関しては問題無かったのですが…、英語は…、さ、31点…でした。」
「ギリギリじゃないか!俺があんなに教えたのに。」
「ご、ごめんなさい…。」

桃野さんの数学に関してもそうだが、湖川さんがここまで英語が苦手だとは意外だ。なんとなく何でも卒なくこなすイメージがあった。

「真島くんはどうだったんですか…?全て31点以上──」
「に、決まってるだろ。」
「そうですよね。」

何だか2人の距離が縮まっているように見える。前は、お互いに一定の距離を保っているような関係に見えていたけれど、今は、お互いが距離を縮めようとしているような──

「蛍貴〜〜〜!!」

突然、本田くんが僕のところへやって来て、抱きついてきた。

「ど、どうしたの本田くん。」
「見てくれよこれ〜。」

本田くんがA4の紙を数枚僕に押し付けた。
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