AIが決めた恋

何か、嫌だ。

裕さんは電車の中で言っていた通り、今日は主に僕と行動すると完全に決めているようで、入園してから、乗り物に乗る場合は必ず僕の隣に乗った。
因みに数十分前、陽芽さんが、
『ジェットコースターに乗りたい!』
と言ったことがきっかけで、今はジェットコースターに乗っている。先程スタートしたばかりだ。
この遊園地の中では1番大きなジェットコースターであり、上り坂がとても長い。きっと頂上での景色は綺麗なのだろう。心に余裕があれば、しっかり見ておこうと思う。

「お〜〜、ジェットコースターはいつ乗ってもテンション上がる!」

隣で裕さんがはしゃいでいる。
前方には湖川さんと真島くんが乗っていて、その前に桃野さんと陽芽さんが乗っている。
桃野さんは湖川さんと乗ると思っていたから、少し意外だ。パートナーである真島くんに気を遣っているのかもしれない。

「前の2人、お似合いだね。」

まさか裕さんの口から、湖川さんと他の男性が『お似合い』だという言葉が飛び出るとは思っていなかった。

「そうですね。」
「本当にそう思ってる?」

それはこっちの台詞だと思う。

「思ってますよ。実際にクラスメイトも、2人の中はとても親密だと噂していました。」
「え!?」

やはり、そんなに驚くということは、心の底では、湖川さんと真島くんがお似合いだとはあまり思っていないのだろう。
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