AIが決めた恋

「藍ちゃんはどんな人がいい？」

細かな希望はないけれど、強いて言うのなら、入学した頃から気になっていて、この前初めて話した佐倉くんみたいな…って！私は何を考えているのだろう。どうして今、佐倉くんの顔が浮かぶのか分からない。別に好きでも何でもない。…ただ、少しだけ、ほんの少しだけ気になるだけだ。

「うーん、私は無色透明の人がいいかな？」
「無色透明…？あ！そっか。中学生の時から、オーラが見えるようになったんだっけ？」
「うん。」

そう。私には人のオーラが見える。雰囲気とかではなく、はっきりと色が見えるのだ。例えば、ももちゃんは薄いピンク色。

「オーラが無色透明って、つまりオーラが無い人っていうこと？」
「私にもよく分からないんだ。ただ、無色透明のオーラを持っている人はとても希少な存在だということは聞いたことがある。」
「そっか〜。」

私の両親や双子の妹はオーラを見ることはできない。でも、私が産まれる前に亡くなった曾祖母(そうそぼ)がオーラを見ることのできる人で、信じられないことかもしれないが、以前夢の中で話を聞いたことがあった。
『誰の色にも染まりたくなければ､無色透明のオーラの人を見つけなさい｡』
曾祖母は私にそう言った。私と同じ色のオーラを持つ人でも良いらしいが、私は自分自身のオーラを知らない。自分では見えないのだ。それに、夢の中で曾祖母が私のオーラの色を言いかけた時、丁度夢から覚めてしまった。
そして、その日から私は、無色透明のオーラを持つ人を探し続けてきた。

「それでは発表します。」

校長先生がそう言ったのと同時に、スマホの画面上に、名前が現れた。私は恐る恐るそれに目をやる。
“真島広大(ましまこうだい)”
そこにはそう書かれていた。