AIが決めた恋

「噂になってるってどういうこと！？」
「2人が手を繋いでいるところを見た人がいるらしいです。」
「そ、そんな…！けしからん！！…けど、よく考えたら、藍と手を繋ぐなんて、子どもの時に沢山したし、なんならハグも何度かしたし､お風呂だって…！い､一緒…入っ…恥ずかしい…｡」

ライバル心剥(む)き出しだ。でも、必死な裕さんを見ていると何故か憎めない。彼はそのような雰囲気を持っている。

「でも、蛍くん、もしその噂が本当だったとしたら…。」

ほら、こういうところ。いきなり真面目な顔で、含みのある言葉を僕に投げかける。はやり僕にとって、裕さんはよく分からない存在だ。

「だとしたら…？」
「今も、手、繋いでたりしてね。」
「それはどうでしょうか…。」

僕は無意識のうちに、2人に目をやっていた。
2人が、今…。それは、なんだかとても…嫌だ…。

「パートナーなんだし、それくらいしてるかもよ。」

何故か、変な気分。不安や焦り…みたいな。どうして…。
ジェットコースターが、そろそろ頂上に到達するからだろうか。

「そろそろ気づいてもいいんじゃない？」

裕さんが何かを呟いた瞬間、ジェットコースターの速度が一瞬だけ0になり、綺麗な景色が目に映った。そして次の瞬間、物凄いスピードで下へと落ちていった。