AIが決めた恋
思わず前かがみになり、地球に重力が働いていることを実感する。

「キャ〜〜〜〜〜!!」

周りから沢山の人の悲鳴が聞こえる。
けれど、きっと1番絶叫しているのは、隣に座っている裕さんだ。

「ぎゃあああぁあぁぁぁああぁぁあああ!!生゛ぎでがえ゛り゛だい゛〜〜!!!」

一体、何処から声を出しているのか…。

「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」

隣で叫び声を聞きながら、風を感じる。
こうして友達とこのような場所に来るのは初めてだが、家族の仲が良かった頃、遊園地へは何度も遊びに来たことがある。特にジェットコースターが好きで、繰り返し乗っていたから、物凄いスピードで乗り物が動いている今も、意識をはっきり持つことができるようになった。やはりこれは何度乗っても楽しい。

「うわああぁああぁぁぁあ!!!…はあ。」

暫くすると、ジェットコースターがゆっくりなっていき、止まった。

「生命の危機を感じた。」

ジェットコースターを降りながら、裕さんが言った。

「ジェットコースター、苦手なんですか?」
「うん。でも、藍がジェットコースター好きだから、昔から好きだということにしてる。絶対言わないでよ!」
「分かりました。」
「藍は、いっつも涼しい顔をしてジェットコースターに乗るんだよ。僕ばかり大声出しちゃって恥ずかしい。」

裕さんが照れるように頭を()いた。
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