AIが決めた恋
「取り敢えず、私達ペアは決定ね!他の4人はどうする?ペア変える?」

4人でお互いに目を合わせた。

「君はどう思う?俺とずっと一緒で、嫌じゃないのか?」

真島くんが湖川さんに尋ねる。

「そんなことはないです。私は誰とでも大丈夫ですよ。」
「そうか。」
「逆に真島くんは私でいいのですか?」
「問題無いが、強いて言うなら、そうだな。佐倉、ペアにならないか?」
「え?僕?」

まさか、真島くんが僕を指名するなんて。
体育倉庫に閉じ込められて以来、彼とは少し気まずい関係になってしまったと思っていたが…。
僕と仲良くなれそうな気がすると言っていたのは、本心だったのか。

「駄目か?」
「いや、駄目じゃな── 」
「駄目に決まってるでしょ!!」

裕さんが僕達の間に割り込んだ。

「今日は、蛍くんと僕がずっとペアなんだから!!」
「お兄ちゃん、今日はやけに佐倉くんと一緒にいるね。」
「だって、佐倉くんのこと大好きだから、もっと仲良くなりたいんだも〜ん。」

これほど分かり易い嘘を、これまで見たことがあっただろうか。

「そうなんだ。」
「うん!あ!でも、藍のことはもっと大好きだからね!」
「あ、うん。ありがとう。」

そんなにストレートに好きだといって、大丈夫なのかと心配したが、湖川さんは少し呆れたように微笑んだ。きっと、産まれてから今まで、このように言われたことが何度もあったのだろう。
なんの躊躇(ためら)いも無く、相手に好意を伝えられるのは、羨ましいような…いや、どうして僕が羨ましいだなんて思わなくてはいけないんだ。
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