AIが決めた恋
僕と藍は、元からとても仲が良く、本当の兄妹みたいな関係だった。
藍が産まれてから、いつも考えるのは藍のことばかり。でも、これをおかしいと思ったことは1度もなかった。従妹を可愛いと思う感情は、珍しいことではないと思ったからだ。
小学5年生の夏、友達と一緒に映画を見に行った帰り道、駅の近くの服屋で、白いスカートを見つけた。普段、服装はあまり気にする方ではないが、そのスカートを見た時、藍の顔が頭に浮かんだのだ。
後日、僕はその店へ1人で行き、気になっていたスカートを買いに行った。
お店を出ると、当時の藍の幼馴染みに会った。確か名前は──

「あ、裕くん!」
「君は、藍の幼馴染みの──」
「うん!お母さんと一緒に買い物をしに来たの。お母さんは向こうにいるよ。」
「そう。」
「こんな所で裕くんに会えるなんて嬉しいな〜。運命かも…。」

僕は苦笑いをした。この子は少しロマンティックなところがあって、どのように反応したら良いか困ってしまうことがある。

「裕くん、それ、何買ったの?」

彼女が、僕の持っている袋を指差して言った。
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