AIが決めた恋
「ああ、これはスカート。」
「スカート!?裕くんが穿()くの!?」
「ち、違うよ!そんな趣味はない。これはプレゼント。」

焦ってしまい、つい、プレゼントだと言ってしまった。

「プレゼント?」
「あ、いや、それは、その…!」
「誰にプレゼントするの!?も、もしかして、わた──」
「大事な子だよ。」

咄嗟に、そう答えた。

「大事な子…?裕くん、好きな子がいるの…?」

僕は好きかもしれない。でも、恋ではない。従妹愛というか…、従妹として好きなだけだ。

「そのスカートをプレゼントする相手って、もしかして藍ちゃん?」
「そ、それは、秘密!」

今更ながら、スカートをプレゼントすることが恥ずかしくなってきて、僕は誤魔化した。

「ふーん。つまんない。じゃあ私、お母さんの所に戻るね。バイバイ。」

何故だかは分からないけれど、彼女の機嫌を損ねてしまったみたいだ。
彼女と藍は、幼稚園が同じだった幼馴染みだから、よく知っているが、自分の思い通りにいかないと()ねてしまうことがある。今も、もしかしたら僕が彼女の機嫌を損ねるようなことを言ってしまったのかもしれない。
でも、今考えるべきことは、そんなことではない。
このプレゼントを藍が気に入ってくれるかどうかということの方が大切だ。
藍はとても優しい子だから、きっと喜んでくれるはず。と、思いながらも、少し緊張しながら、僕は藍の元へと向かった。
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