AIが決めた恋
彼女は後ろを向いた。きっと泣いているのだと分かったけれど、僕にはどうすることもできなかった。

「ごめん。」
「何で謝るの？謝らないでよ。私は嬉しかったって言ってるじゃん！」

本当はこういう時、慰めて抱きしめてあげられるのがパートナーだ。でも、僕にはそれができない。今は、彼女に対して何をしても、嘘になってしまう気がして…。

「私とはここでお別れ。今まで楽しかった。」
「僕も、楽しかったよ。」

これは嘘じゃない。僕は、彼女と過ごす日々が、嫌いじゃなかった。彼女のような人と一緒にいられたら、いつかきっと藍のことを忘れて、普通の恋愛ができると、本気でそう思っていた。

「ほら、早く。好きな子の所に行ってあげて！！」

彼女からそう言われ、僕は走りだした。
自分の気持ちに嘘をついて、1人の女の子を傷つけた。自分のことしか考えていなくて、彼女を利用したんだ。
本当は、ずっと苦しかった。もう、自分に嘘はつきたくない。
そのまま何処にも寄らず、僕は電車に飛び乗った。
そして、藍の元へと向かった。
藍に会ったら、告白しよう。フラれても、親戚中の噂になってしまったとしても、そんなこと関係無い。この3年間、忘れようとしても、抑えようとしても、どちらも上手くいかなかった、そのことを伝えよう。
僕は電車の中で、そう決めた。
しかし…。
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