AIが決めた恋
「あれ〜、裕くんと桜ケーキくん、お化け屋敷リタイアしたの〜?」

陽芽さん達が走ってこちらへ来て、言った。

「実は裕さんと──」
「そうなんだよ〜!いやぁ、思ったより怖くてビックリしちゃった。へへへ。」

裕さんが笑顔でそう言った。
なんだか、裕さんがよく分からなかった理由が少し分かった気がする。
裕さんは、いつも周りとの調和を考えて、おちゃらけて話しているのではないだろうか。

「え〜!裕くん、昔はお化け屋敷得意だったじゃん!!」
「うーん、そうだったんだけどね。今入ってみたら、めっちゃ怖かった!」
「ジェットコースターも苦手でお化け屋敷も苦手だなんて〜。一体何が得意なの?」
「うーん…、観覧車?」
「それは初耳!じゃあさ、これから皆で観覧車乗らない!?」

陽芽さんが提案した。

「反対の人〜?」

誰も手を挙げない。満場一致だ。
僕も高い場所から景色を見るのはとても好きだ。

「じゃあ決定〜!!ってことで、真島くん!私と一緒に乗ってくれない?」

陽芽さんが真島くんに声をかけた。

「え、俺?」
「何?何か文句でもあるの?」
「いや、君とはあまり話したことがないから、意外だった。」
「あまり話したことがないからこそだよ!真島くんのこともっと知りたいんだもん。」

陽芽さんは、そう言いながら、さり気なく僕と目を合わせて、ウインクをした。
一体、どういう意味だろう。
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