AIが決めた恋
「きっと佐倉は、誰と関わっても、変わらない。そんな気がする。まるで、誰とでも相性が良さそうだ。だから、羨ましい。」
「誰とでも相性が良い人なんて、存在しないよ。」
「まあ、そうだな。でも、おそらく、相性の良い人が多いんだと思うよ。」
「そうかな?」
「ああ。少なくとも俺よりは。俺と相性が良い人なんて、本当に限られているだろうから。」

確かに、それは分からなくもない。真島くんはとてもクールで、完璧な人だ。手の届かない存在だと思ってしまうことがある。

「俺、時々怖くなることがあるんだ。彼女との相性があまり良くなかったらどうしようかと。」

真島くんが、湖川さんの寝顔を見つめながら言った。

「そうかな?この学校に入学できている時点で、相性が良いのは明確だと思うよ。」

意外だ。真島くんが、そんなことを考えているなんて。傍から見たら、真島くんと湖川さんはとても相性が良さそうで、そんな心配はする必要が無いように思える。

「まあ、悪くはないだろうけど…。学校の中には、1学年に150組のペアがいるんだ。相性1位で入学したペアと、150位で入学したペアじゃ、少し意味合いが違うだろ。」
「なるほど。」

相性が良い相手がいたから入学できたわけだが、この高校の中でも、特に相性の良いペアと、それほどでもないペアがきっと存在するのだろう。
< 185 / 508 >

この作品をシェア

pagetop