AIが決めた恋
「確かにそうだね。1位のペアが、どのくらいの相性の良さなのか、見てみたいな。」
「そういえば、そんなイベントがあると聞いたな。」
「イベント?」
「ああ。毎年文化祭で、学年1位の相性のペアが発表されて、何かやらされるらしい。」
「へえ。」

それは知らなかった。
僕達は、入学をして、それぞれパートナーが発表されても、その順位は公開されることはない。
おそらく、順位を発表してしまうと、その時点で上位のペアと下位のペアで気持ちの差が生じてしまい、研究結果が変わってきてしまうからだろう。
しかし、文化祭で1位のペアだけは発表してしまうとは…。とても興味深い。

「何かやらされるって、具体的に何をやらされるの?」
「さあ。そこまでは。でも、噂によると、キスするらしい。」
「キ、キス…!?」
「ああ。しなくても良いらしいが、今までの歴代1位パートナーは全員してるらしい。」
「な、何でそんなこと知ってるの?」
「毎日、部活の時に、何故か複数の女子がやって来て、色々な話を一方的にして帰るんだ。よく分からないんだが、その時に言っていた。」

まさか毎日、部活に女子が来てしまう程モテているとは。
しかし、本人はそれに気がついていないみたいだ。
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