AIが決めた恋
「でも、今日は真島くんに迷惑をかけないように私なりに練習して来たんです。」
「この授業をパートナーと一緒に行うことを知っていたの？」
「はい。お兄ちゃんから聞きました。」

そうか。裕さんは1年前までここに通っていたのだから、大抵のことは分かっているはずだ。
裕さんと2人きりの機会が折角あったのだから、もう少しこの高校のことやイベントのことについて聞いておけばよかった。

「かなり頑張って練習をしたので、今日は少し寝不足なのです。」
「そうなの？大丈夫？」
「はい。睡眠不足は得意な方なので。」

睡眠不足に得意も苦手も無いように思えるが、きっと、夜遅くまで起きていても、次の日にはあまり支障がでないということを言いたいのだろうと分かった。

「今日は絶対に、佐倉くんに迷惑をかけませ──」

話の途中で、湖川さんが突然口をつぐで立ち止まった。

「湖川さん…？」

彼女の方を見て、驚いた。
湖川さんの全身が震えている。そして、ただ一点を注視している。

「湖川さん？大丈夫？？」

僕の声は全く聞こえていないようだ。
まさか、睡眠不足の支障が出た？いや、そんなはずはない。直前まで普通だったのだから。
湖川さんの視線を先を追った。
するとそこには、見覚えのない男子高校生の集団の姿があった。制服からして、この高校ではない。
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