AIが決めた恋

「こ、湖川さんって、あの、同じクラスの、湖川藍さん…？」
「馬鹿！！違げえーよ！！そっちだったらハズレだし嬉しくねーよ！！人生捨てるわ！！」

それは普通に酷い。湖川さんはハズレなんかではない。僕にとってはむしろ当たりだ。

「湖川の双子の妹！隣のクラスの湖川陽芽(こがわひめ)だよ！」
「湖川陽芽…？」

驚いた。湖川さんに双子の妹がいただなんて。

「お前、知らねーのかよ！学校一の美少女だと言っても過言ではないほどの美少女だ！」
「へえ。」
「んで、性格も俺のタイプなんだよ！姉のあいつとは違って、明るくてハキハキしてるんだ！まさに俺のタイプ…！！」

本田くんが興奮しながらガッツポーズをした。
そういえば、本田くんはゴキブリを投げたり、罰ゲームの相手に湖川さんを選ぶことに乗り気だったりしていたが、まさか湖川さんの妹目当てで近づいていたということだろうか。本田くんのことだ。その可能性が高いだろう。

「湖川藍も可哀想だよな〜。妹があれじゃあ、勝るところ何も無いじゃんか。」

本田くんがそう言った瞬間、本田くんの後ろにいた女子が、本田くんの右肩を掴(つか)んだ。

「えっ…？」
「本田懸(ほんだかける)さん？」

名前を呼ばれ、本田くんが後ろを振り返った。

「こ、湖川陽芽…！！」