AIが決めた恋

君との会話法

「今日は天気がいいね。」
「そうだね…。」
「今日は風が気持ちいいね。」
「そうだね…。」
「き、今日は雲が1つも無いね。」
「そうだね…。」
「こういう日は、逆に不安になるよね…！」
「そうだね…。」

まずい…。圧倒的に気まずい。会話が全く続かない。一体、どうしたらいいんだ…。
パートナーが発表された後、僕は、桃野さんに、屋上で会うことにしようと提案した。桃野さんさは何処でも良いと言っていたし、屋上は静かな場所であると思っていたからだ。
しかし、違った。屋上は待ち合わせ場所としてはとてもわかりやすい。その為、かなり多くのパートナーで埋め尽くされていた。そして僕はその中から、なんとかして桃野さんを見つけ出したのであった。しかし…。

「人が沢山いるね。」
「そうだね…。」

先程から、僕が何を話しかけても、「そうだね…。」しか返ってこないのだ。
僕は敢えて、「そうだね…。」では返せない質問をしてみる。

「桃野さん、誕生日は？」
「そうだ…3月3日です。」
「ひな祭りの日に誕生日だなんて素敵だね。」

自分で聞いておいた癖に、なんと答えたら良いか分からず、とても適当な返答になってしまい、心の中で謝った。
そして、再び2人の間は沈黙に包まれた。

「じ、じゃあ、血液型は？」
「B型です。」
「へぇ。僕はO型なんだけど、B型とO型って、相性が良いみたいだよ。」
「そうなんだ。」

駄目だ。こんな、桃野さんの個人情報を尋ねるような質問では、変態だと思われてしまうかもしれない。

「えっと…、あ、そうだ。桃野さんは誰と仲が良いの？」

なんとか会話が続きそうな質問を捻り出した。

「え…｡」

しまった。この質問は、先程の質問以上に変態みたいだっただろうか。だとしたら、誤解を解かなくては…！
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