AIが決めた恋

それでも私は信じたい

練習が終わり、私は真島くんと一緒に、多目的室を出た。
彼の方から、『一緒に帰ろう』と言ってきたのにも関わらず、先程からずっと無言だ。私から何か話しかけた方が良いのだろうか。でも、何を話したら良いのか分からない。

「あのさ。」

そんなことをぐるぐると考えているうちに、真島くんが口を開いた。私は心構えをする。

「今日は…、ごめん。」
「いえ、私の方こそ、近づかないように言われていたのに、それを守ることができませんでした。」

彼が心配で、声をかけてしまった。でも、それは本当に彼の為になっていたのだろうか。ただの自分の自己満足だったのかもしれない。

「君は何も悪くないよ。」
「そんなことは…。」
「今日の練習が始まる前、佐倉に言われたんだ。君とちゃんと話して欲しいと。」
「佐倉くんが…？」
「俺は最低だよ。君の気持ちも考えないで、勝手に1人でいた方が周りに迷惑をかけなくて済むと、思い込んでいた。」

その言葉を聞いて、やはり真島くんは優しい人であると改めて思った。
『近づくな』と言ったのも、私の為だったんだ。
私を巻き込みたくなかったから。

「でも君もあの噂を聞いて、俺のことが嫌いになっただろ？」
「そんな…。嫌いになんてなってないですよ。」