AIが決めた恋
「そういえば、陽芽ちゃん、ミスコン出るって本当?」

ももちゃんが言った。

「えっ…!陽芽、ミスコン出るの…!?」

この高校では、文化祭にミスターコンテストとミスコンテストが行われるらしい。お兄ちゃんから少しだけ聞いたことがあったが、まさか陽芽が出るとは驚きだ。そして、それをももちゃんが知っていたことも驚きだ。
真島くんの噂については知らなかったのに。ももちゃんの情報収集の仕方は一体どうなっているのだろう。

「それがさ〜、私は出る気なんて全く無かったんだけど、裕くんと本田くんが…。」
「お兄ちゃんと本田くんが??」
「そう。本当はね、藍に出てもらうつもりで、勝手に書類も書いてたの。」
「えっ!?」

陽芽がミスコンに出るよりも、そっちの方が驚きだ。

「それが裕くんにバレちゃってさ〜、『藍が他の男に目をつけられたら困る!』って大反対されちゃって。」
「そ、そうだったんだ。」

お兄ちゃんの過保護には、たまに(あき)れてしまうことがあるが、今回に関しては、過保護で良かった。
< 262 / 508 >

この作品をシェア

pagetop