AIが決めた恋

私は混乱する。
真島くんの持っているチラシは、素人が描いたとは思えないほど、物凄く上手な絵が描かれている。
そのチラシは一体、どこから出てきたのか。まさか、こうなることを予想して、真島くんが予(あらかじ)め描いてくれていたのだろうか。いや、流石にここまで予想できるわけがない。それなら、どうして…。

「な、なんだよ。何で湖川のチラシを真島が持ってんだよ！」
「パートナーなんだから、これくらい当たり前だろ。」

答えになっていないような答えだが、なんとか納得してくれたようだ。本田くん以外の男子は、無言でその場を立ち去った。
無言と言っても、男子達は決して反省していたわけではないのだと思う。どちらかというと、不貞腐(ふてくさ)れたような顔をしていた。

「おい、ちょっと皆！俺だけ置いてくなよぉ！」

本田くんだけは、まだ懲(こ)りていないようだ。

「本当に真島が描いたんか？なんかおかしいような…ひ、ひぇ！？」

突然本田くんの表情が豹変(ひょうへん)した。目線の先を見てみると、そこには…、

「懸く〜ん？どうしてそんなところにいるのかな〜？」

ドアの前で、陽芽が仁王立ちしていた。