AIが決めた恋
「お、お陽芽!!どうしてここに…?」
「それはこっちの台詞よ?ミスコンの手伝いをしてくれるって言ってたのに、それを放り投げて何処に行ったのかと思ったら…あら?その手に持っているものは何かしら?」

陽芽は物凄い威圧感を(かも)していた。昔から言いたいことをはっきりと言うタイプではあったが、本田くんをここまで慌てさせるのは凄い。

「ああ、これ、見てくれよ!このチラシ、だっせー…」
「そうじゃなくて。」
「え?」
「反対の手に持っているものは何?新聞紙を細長く丸めた物に見えるけど…。」
「げ。」

本田くんは慌てて棒を背中に隠した。しかし、時すでに遅し。

「ま・さ・か、剣に見立てて遊んでいたわけではないよね?高校生にまでなって、そんな子どもっぽいことをするはず…ないわよね?」

陽芽がニコッと微笑んだ。しかし、顔では微笑んでいるだけで、明らかに内面は怒りで充満しているように見える。

「ひぇ〜!ごめんなさ〜い!!」

本田くんはそう言うと、全力疾走で教室から出ていった。
陽芽は、

「お騒がせしました。」

と言うと、本田くんを追いかけていった。
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