AIが決めた恋
「俺達もさっさと体育館へ向かうぞ。」

本田くん達が去っていった後、直ぐに真島くんはそう言うと、教室を出た。私もその後を慌てて追いかける。
お礼を言わなければならない。それから、どうしてチラシを描いていてくれたのかも聞かなくては。それから気になる事が1つ。
あの時、オーラの色が明らかに変わった。やはり彼は特異体質なのだろうか。それが今だに分からない。

「なあ。」

そんなことを考えていると、前を歩いていた彼が不意に後ろを振り返った。
気がつけば、オーラの色はまた濃い灰色に戻っている。

「今までも、ああいうことがあったのか?」
「えっ…?」
「だから、その、男子にからかわれたりとか。」

私はその場で立ち止まり、私は過去のことを思い出す。

『お前、男だろ。』
『スカート脱げよ!』
『あいつ、マジでキモイよな。』
『まだ生きてんの?』
『あいつのこと、どう思う?』
『ノーコメントで!あはは!』

「どうした?」

今まで言われてきた、思い出したくもない不快な言葉が頭の中で鳴り響く。私は、どうすることもできなかった。

「おい、どうした…!?」

助けてくれる人もいなかった。友達も、見て見ぬふりをした。私を助ければ、次に自分がやられるかもしれない。そう思ったのだろう。

「聞こえてるか!?」

私は、ずっと気にしていないふりをしていた。嫌なことを言われても、人格を否定されても。
そうすれば、いつか皆の興味が無くなって、平和な日々に戻るのだと思っていた。
でも…。

「湖川藍!!」
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