AIが決めた恋
「はい、OK!!じゃあ、本番まであと1時間を切ったから、ここからはリラックスしながら過ごしてね!」
「はい。」

リラックス…といっても、何をどうすればいいのだろう。

「君、本当に数学は得意なんだな。」

真島くんが関心したように言った。

「はい。英語は全然駄目ですけど。」
「そういうところも──」

真島くんが何かを言いかけたその瞬間…、

「藍ちゃん!大変!!」

ももちゃんが顔色を変えて、走ってきた。

「ももちゃん…?ここは舞台袖だから、関係者以外は立ち入り禁止だと思うけど…。」
「そんなこと言ってる場合じゃ無いの!!」

明らかにいつもと様子が違う。何かあったのだろうか。

「そんなに慌てて、どうしたの?」
「どうしよう…。」

きっと、ここまで全力疾走で来たのだろう。ももちゃんの息があがっていて、苦しそうだ。

「大丈夫?少し休む??」
「本当に、そんなことを言っている場合じゃないの。」
「もしかして、何かあったの…?」

私が聞くと、ももちゃん、とても深刻そうな表情をした。

「今、校舎裏でね、小さな火事があったの。もう火は消し止められたみたいなんだけど…。」

火事…?

「その火事に、佐倉くんが巻き込まれたって。」

全身が凍りつき、思考が停止した。
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