AIが決めた恋

舞台袖へ戻ると、部長が全員とハイタッチを求めていた為、私もそれに応じる。

「湖川さん、良かったよ！」
「あ、ありがとうございます。」

部長とは、練習で沢山話してきたが、やはりまだ少し怖いというか、話すことや触れることを躊躇(ためら)ってしまう。高校生になってからは、、女子だけでなく、男子とも少しずつ関わるようになってきたように思うが、やはりまだ男性恐怖症が完全に治ったわけではないのだと痛感する。

「どうした？」

考え事をしていると、真島くんに声をかけられた。

「あ、ま、ま、真島くん…。お、お、お疲れ様です。」

どうしても先程のシーンを思い出してしまう。

「お疲れ。」
「あ、は、はい…。」
「なんか、ぎこちなくないか？」
「い、いえ、滅相もございません…！！」
「滅相もって…。もしかして、さっきのシーンのこと、気にしてるのか？」

さすが真島くんだ。鋭い指摘だ。いや、もしかしたら、私が分かり易いだけなのかもしれない。