AIが決めた恋
「先ず、影石が転校してきた理由についてだ。」

そこからか。
確かにそれは今一番気になっている。

「この高校では、入学と同時に、全員が受験者の中で最も相性の良い相手とパートナーになる。だから、普通、転校してくるということは有り得ない。」

そうだ。それがこの高校の絶対的なルールであるはずだ。

「しかし、1つだけ例外があるということを知ってるか?」

例外…?

「知りません。」
「やはり。このルールはあまり浸透していないみたいだな。生徒手帳にも載っていないし。」
「一体、どんなルールなんですか?」

先生の言い方が、そう聞いて欲しそうな言い方に聞こえた為、僕はその通りに尋ねた。

「基本的に、途中入学は禁止だが、校内で最高の相性のパートナーが見つかった場合のみ、途中入学を許される。」

先生は、ゆっくりと慎重に言葉を選びながら、そう言った。

「途中入学の生徒とパートナーを組むことになった場合は、それまでパートナーだった人とは、契約を切る。そして、契約を切るのは、お互いが同意しなくてはならない。どちらかが同意しなかった場合、途中入学の生徒は、転校取り消しとなる。」

僕は息を飲み込んだ。
< 334 / 508 >

この作品をシェア

pagetop