AIが決めた恋

黒は突然やって来る。

『黒いオーラに気をつけて。黒は突然やってくる。』

ひいおばあさんが言っていた言葉を思い出す。
その言葉の通り、“黒”はある日突然やってきた。
高校生になって、やっと平和な日常を生きられるようになったと思っていた。
それなのに、高校2年生の新学期、そんな私の平穏な日常は、いとも簡単に壊された。

『影石愛です。宜しくお願い致します。』

影石愛。彼女は幼稚園の頃からの幼馴染みだ。
幼稚園の頃は、本当に仲良い友達だった。しかし、次第にそのような関係は、崩れていった。
1番初めに、私が彼女に失望したのは、小学1年生の頃だ。
夏に行った潮干狩りで、私に暴言を吐いた男子の味方をされた。その時からに私は、少しずつ彼女から離れるようになった。
彼女から離れると言っても、家族ぐるみの付き合いだった為、完全に距離を取ることはできなかった。年に1度の鍋パーティーには毎年参加しなければならなかったし、同じ習い事もいくつかやっていた。
それから2度目に失望したのは、小学2年生の頃。
学校が終わり、家に到着すると、珍しく彼女から電話がかかってきた。
< 345 / 508 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop