AIが決めた恋
「ももちゃん、ついてきてくれてありがとう。」

私がそう言うと、ももちゃんが、「よっこらしょ。」と言いながら物陰から出てきた。

「ごめんね、こんなに狭い所に…。」
「いいの!ここは私が選んで隠れたんだから!そんなことより、影石さんと上手くいったみたいで良かったね〜!ちょっと驚いたけど、私、安心したよ。」
「ありがとう。私も驚いた。」
「でも、本当に許しちゃっていいの…?」

ももちゃんが不安そうにしながら私に尋ねる。
実は、許すかどうかはまだ迷っていた。私は争い事が嫌いだから、また仲良くできたら、良いのだけれど…。
許したい気持ちはあっても、それと実際に許すのとでは、きっとまた意味合いが違ってくるのだと思う。

「愛ちゃんも、凄く反省しているみたいだし、もう過去のことだから、許してあげなくちゃね。」
「それはそうかもしれないけど…。私は影石さんがしてきたことを知っているから、もし私だったら、どんなに必死に謝られたとしても、しばらくは許せないと思う。」

たどしてもだ。
私は前に進まなくてはならない。

「心配してくれてありがとう。でも、私はもう大丈夫だから。」
「本当に…?」
「うん。」
「また同じことが起こったとしても…?」
「それでもだよ。」

中学の頃は、お兄ちゃんもいなかったし、ももちゃんとも違う学校だった。でも、今は2人とも、直ぐ近くにいてくれる。
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